誰もが求めているのは「真実な交わり」です。嘘、偽りのない、本音で受け入れ合うことのできる場があったら、誰だって居たくなります。聖書は「真実を語り合いなさい」と語ります。
私たちは、意識的な嘘を付くことはあまりないでしょう。あったとしても、それは本人が嘘と自覚していますから、悔い改めのチャンスがあります。
むしろやっかいなのは、無意識の嘘、善意の嘘です。京都では、「お茶をもう一杯いかがですか?」と言われたら、それは「お帰りください」という意味だそうです。言葉通りに受けとめて、「もう一杯」と言ったらいけないのです。これは、嘘を付いているのではなく、相手を傷つけないための言い回しなのです。
しかし、それはお互いがその言葉の本当の意味を理解している場合に成り立つコミュニケーションです。もし「もう一杯ください」と言って、後で「なんてずうずうしい人か」と言われたら、それは「嘘を付かれた」と受け取られても仕方ないでしょう。
心の中の思いと言葉が同じである、それが真実ということです。安心して相手の言葉をそのまま受け留めることが出来る、それが真実な交わりです。私たちも自らの言葉が真実であるように、そして言葉の裏も表もない、本音の交わりでありますように、そのような交わりを保っていきましょう。