2012年8月17日

8月19日2012年の週報に掲載

 8月15日は、日本にとっては終戦記念日という特別な日です。今年で67回目になります。アメリカにとっての対日戦争の終結は、日本がポツダム宣言に調印した9月2日を、その日として「V-J DAY」と呼びます。

 ある人は、この日は、終戦記念日ではなくて、敗戦記念日だと言います。たとえ敗戦であっても、大切な事実は、この8月15日に戦争が終わったということです。

 アメリカには「終戦」ということがあるのでしょうか? 第二次世界大戦が終わって直ぐに朝鮮戦争があり、ベトナム戦争があり、湾岸戦争があり、イラク戦争があり、現在においても戦時下にあるのがアメリカであり、私たちは、その戦時下にある国で生活をしているのです。

 日本は敗戦しましたが、その代わりに終戦を得たのです。そしてこの67年間、一度も戦争を行っていないのです。アメリカは、勝ち続ける代わりに戦争を終えられないのです。しかし、日本は敗けた代わりに戦争を終えることが出来たのです。だから敗けた方がいいという単純な話ではありません。しかし、日本が敗戦することで、終戦を迎えることができ、そして戦争をしない国となったのは、戦争を知らない世代の私にとっては「恵み」です。

 その敗戦という過程の中で、東京大空襲があり、原爆投下があり、沖縄戦があり、筆舌に尽くしがたい苦難がありました。その犠牲と言えば、あまりに大きな犠牲の上に、その恵みがあることを思います。

 そこにキリストを見ます。私の知らない所で払われた犠牲の上に、今の平和があるのです。しかし、日本は別の意味で「戦争」があります。自殺者の数は未遂者まで入れると一年間で30万~60万人です。この数は、もはや戦争のレベルです。今度は私たちが、次の世代に、平和を残す役割があるのだと思います。

関牧師

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